気が遠くなるほど欲しかった新機能、「期間比較の数値データ表示」がようやくリリース:Googleアドワーズ

投稿日:2013年7月30日



※後半に「追記」しました。

PPC広告の世界は、数値との戦いです。

広告主として、
広告投資した金額以上のリターン(売上利益)が得たければ、
この「大人の数値ゲーム」に勝利し続ける必要があります。

数値、データというものは、
単体が羅列されていても何の意味もなしませんね。

じゃあ、どんな形に姿を変えてあげれば意味をなしていくかというと、
あえてポイントを上げるのなら、

1,分解
2,比較
3,分散
4,時系列
5,プロセス
6,組み合わせ
7,改善感度
8,回帰
9、補正

という9つの形を上げられると思います。
例えば、「補正」というのは、「掲載順位が上がってクリック率が上がると品質スコアも上がる」の間違い |のエントリーでご紹介したような、
「検索結果において順位が高いことによる余計なクリック率上昇分を省いて、同じ条件にする」といったようなことです。

他にも、いろんな「数値の姿を変える」て意味あるものにする方法はありますが、
最もポピュラーなのが、「期間の比較」だと思います。

例えば、
「現在、コンバージョン率が先月よりも低くなってしまったが、その要因は何か?」
という問題があった場合、

「季節変動要因ではないか?」
とまず仮説を出すのは標準的なアプローチといえます(※追記あり)。

例としては、「住宅」に関わるビジネスは世の中にたくさんあり、
キーワードの市場(キーワード検索数×キーワード数×クリック単価)も大きなものですが、
一般的にこのビジネスは「4月」を中心に回っています。

新築住宅、リフォーム、引越・・・などなど、
「息子の学校がはじまる4月には間に合わせたい」
といった環境変化に需要が集まるので、
建材のビジネスであれば3月の納品に合わせた工事スケジュールからさかのぼり、
前年の10月~12月がとても売れる時期となります。
一方で当然ながら、納品直前の2月や3月には売れなくなります。

こういう売れない時期には、はっきり何をやっても売れないわけで、
「競合との比較コンテンツをランディングページに入れてみる」といった間違った仮説に基づいて間違った手を打ってしまえば、
さらに状況が悪化したりしてしまうこともあるわけです。

このような単純なケースでなくても、
実際には季節変動要因というのはどんなビジネスでもなんらか存在するもので、
ほとんどの場合、1年~2年、広告を出し続けることでやっと判明してくるものです。

この他にも、
「新しい競合が広告のプレミアポジションに参入した影響はあるのか?」
「リニューアルしたページはコンバージョンに良い影響を与えているか?」
といったケースでも、期間比較はよく使いますね。

Googleアドワーズには、
「期間で比較する」ことをサポートする機能が現在もあるんですが、

・グラフでしかその差がわからない

という,イマイチ使いづらいものでした。

そんなわけで、
期間比較データの分析レポートを書くときは、
期間の違う画面を二つ開き、
わざわざ部分部分でコピペしたり、
CSVに落として加工したり、
とえらい面倒な作業が発生してたわけです。

これが、なんと期間比較の数値デーを管理画面ですべて閲覧できるようになりました。
しかも、「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」いずれの階層のデータであっても、
「クリック率」「表示回数」「コンバージョン」「CPA」「利用金額」などなど、
すべて見れるようになりました。

これはめっちゃありがたい機能です!
Googleさん素晴らしい!

閲覧方法ですが、

Googleアドワーズの管理画面の右上、期間の設定の比較を「ON」にして、「前年同期」などにチェックを入れてみて、「実行」を押します。

1307291

すると、「クリック率」などの項目欄に「+」のボタンが現れます。

1307292

その「+」ボタンをクリックすると、
・2つの期間のそれぞれの数値
はもとより、
・変更(差分)
・変化(%)
が表示されます。

13072903

いや~ほんとに素晴らしい。
待ちに待った機能。。。なんですが、残念ながら、
まだ一部のアカウントにしか実装されていない模様。

公式リリースもないので、
ランダムにだんだん実装されているのかもしれませんね。

※8/5に英語アドワーズブログに正式リリースありました。
Easily compare your ad performance over time – Inside AdWords

アメリカでも、7月17日の週から、
徐々に実装されているアカウントが出てきているようです。

ちなみに、
2つの期間データの差分を表す「変更」という項目名と、変化率を表す「変化(%」という項目名ですが、
英語アカウントだと、「change」「change(%)」という項目名です。

「変更」という言葉は、なんか違うような・・・?
単純に、
「変化」「変化(%)」という直訳の方がわかりやすいような。

正確に言うのなら、
「差分」「変化率(%)」
とすべきと思いますが。
まあこれはGoogleさんへ依頼フォームから要望を出しときましょう。

早くすべてのアカウントで見れるようになってほしいものですね。





※「まずは季節変動から見る」というのは標準的アプローチとしてどうなのか?
というメッセージを代行業をされている方よりいただきましたので、下記に追記しておきます。

【追記】

まず前提として、
冒頭に「広告主として」と記載してあるとおり、
この記事は広告主、またはセルフアカウント(インハウス)での、
PPC広告投資の決裁権がある方に向けて書いています。
一般的な代理店や専門会社で広告運用代行をされている方、運用担当者に向けては書いてませんのであしからず。

本題ですが、
広告主として、季節変動要因という外部要因をまっさきに考えるべきなのは、それを取り違えると、経営として、極めて大きな無駄もしくは大きな機会損失となるためです。
マッチタイプなどの些末な部分最適は担当者にまかせればよく、全体最適を見る必要があります。
要するに、コンバージョン率やCPAという要素は外部環境の影響の方が遙かに大きく、それに比べればアカウント内の影響はとても小さいものにすぎない、ということです。

リスクを最小にして、機会を最大に活用するのが経営ですが、
反応感度の悪いときに過大な広告投資をするようなリスクを負うのは愚行と言えます。
このリスクの対策は至極簡単で、月額予算を減らす、あるいは広告そのものをオフにすればよいだけです(※)。

なお、
リスティング広告の運用代行のみを受託している一般の代理店さんや専門会社さんの立場の方は(あるいはランディングページの分析程度までを依頼されている場合)、コンバージョンが下がった場合の「季節変動要因」という分析は、そもそもすべきではありません。
そのような分析をしても、広告運用だけを生業にしているのであれば、「打ち手」がないためです。

「アクションのない分析」をしても意味がありません。
広告運用代行をしている担当者にとっては、このケースでは「季節変動要因」という言葉は使ってはいけないNGワード、です。
それを言ってしまえば、単なる「仕事の放棄」になってしまいますので、仮説を出すこと自体が間違いということになります。

ですので、たとえどれだけ季節変動でコンバージョンが下がっていると推測されるとしても、部分最適を求められているわけですから、黙々とアクセス解析や広告やキーワードの領域、ランディングページの変更アドバイスの領域などで、「出来る限りの手を考え、打つ」ことに集中すべきなのは当然です。

また、広告主の立場であれば、もし代行運用を依頼している先の会社の担当者が、「コンバージョンが低下した理由が季節変動要因です」と言ってきたら、「あなたたちにそのような外部要因の分析は求めていない。アカウント内でできることを最大限やってくれ」とはっきり伝える必要があります。

さらに、
定常的に広告のABテストを繰り返し行っていたり、頻繁にアカウント構造自体を変更しているアカウントでは、なにが変数として結果が出ているかが入り組んでしまい、因果関係がわかりにくくなっています。
この場合、そもそも季節変動要因を探ることはできない、という根本的な問題もあります。
最適化期間を終え、安定運用時期を1~2年は経過している必要があります。

「季節変動要因が存在するかもしれない」という仮説を考え、
分析をして、
かつ打ち手を考えるのは、
自社内の決裁者の役割になります。
外部の人間であれば、一般的には経営コンサルティングの領域になります。
WEBの領域を離れ、アナログのビジネスモデルの変更を要求する全体最適の領域に入ることになるためです。

そういう意味では、リスティング広告の代行業というものの、
分析エリアや役割分担はより緻密さが求められていくのでしょう。

季節変動の波が低いときになにをすべきか、という「打ち手」については、
次回以降のブログにて。

※反応が悪くても出し続ける上級戦略は別途あり。



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プロフィール

  • 滝井秀典
  • キーワードマーケティング 代表取締役。検索キーワード広告(PPC、リスティング広告)の研究、実践、教育をしています。会社の方では運用代行など。
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